朝起きたら看護師に転職していた話
今日から私は憧れの看護師
「あれ?なんで私、こんな格好をしているんだっけ?」
朝起きると、私はナース姿になっていた。
昨日の夜、コンパではしゃぎ過ぎたのは覚えている。
隣に座ったイケメンメガネ男子と結構親密になった気もする。
しかし、コスプレをした覚えはない。
朝起きたら頭にパンツを被っていて死にたいと思ったことは何度かあるが、コスプレはない。
隣にイケメンメガネ男子もいないし、そういうことでもないらしい。
「とうとう私は憧れていた看護師になったんだ。これからは居酒屋ではなく、病院で輝くんだ!」
なんとなく、そう思った。
そう、今日から私の第二の人生が始まるんだ。
私の勤務先はどこだろう?
看護師への転職という夢が叶った私だが、最初に大きな問題にぶつかった。
「いったい、どこの病院に出勤すればいいの?」
看護師にはなれたが、勤務先はさっぱり分からなかった。
色々考えてはみたものの、何から始めていいのか分からない。
こんなときはとりあえず行動するのが私のモットーだ。
いつもの七つ道具を手さげぶくろに適当に詰め込み、とにかく外へ出た。
私の勤務先を探す旅の始まりだ。
30分ほど歩き回って、重要なことに気づいた。
「私は何を専攻していたのだろう?外科?内科?泌尿器科?」
正直、きちんと勉強していないので、看護師がどのように専攻が分かれているのかさえ分からない。
ただ、何となく私のインスピレーションとして、
開腹手術
という言葉が浮かんだ。
そうだ、私は開腹手術という四文字熟語が回復手術っぽくて好きだったんだ。
オペ現場を探し出せ
善は急げで、早速手術室を探す。
私がオペに間に合わなければ、誰が先生の汗を拭うというのか。
手っ取り早く手術室へ向かうため、ヒッチハイクで探す。
案の定救急車の気のいいおっちゃんを捕まえ、助手席でつまらない苦労話に適当に相槌を打ちつつ、手術室へと向かう。
いよいよ、初のオペ助手だ。
汗を拭うハンカチの準備はできている。
私に与えられた仕事とは
手術室へ向かうと、既にオペは終了していた。
正直がっかりだ。
しかし、気落ちしている暇などない。
看護師は忙しい。
早速新しい仕事を任命された。
私は、院内で「TOO SHY SHY BOY」というあだ名を付けられた患者さんの担当になった。
初対面はこんな感じ。
恥ずかしくて、ゴム手袋の中に顔を隠している。
確かにTOO SHY SHY BOYだ。
めんどくさいのでゴム手袋をムズっとひっぺがし、
「今日からあなたを担当します京子です。よろしくお願いします」
と挨拶をした。
シャイボーイはこちらを見てくれない。
私は、このシャイボーイとフレンドリーになることがこの仕事のミッションであり、ゴールであり、KPIであると感じた。
KPIという単語、一度使ってみたかったのだ。
私の手にかかって笑わなかった男は過去に一人も存在しない
まずは場をなごませるため、手品を披露することにした。
何もないところから札束を出したり、舌をちょん切ってくっつけたり、顔を入れ替えてみたり。
どれもよく見るベタな手品なので、シャイボーイは全く笑ってくれなかった。
なかなかに手強い。
私の必殺サービスを受けて、◯◯◯しなかったオヤジは過去に一人も存在しない
次に、居酒屋で得意としていた必殺サービスを披露してみた。
私はこのサービスで、太客からよくチップをいただいていたのだ。
まずは明太子の腕盛り。
私のツルスベの腕も一緒に食べられる、常連のおじさん大興奮のサービスだ。
しかし、シャイボーイはしゃぶりつかない。
おかしい、こんなにかわいい私なのに。
私ったら、かわいいのに。
やはりこの病院で3年間シャイボーイと呼ばれ続け、蔑まれてきただけのことはある。
お次はのりたまぶっかけ。
私が口に含んだのりたまを思いっきり口からぶっかけて、Mっ気を刺激するサービスだ。
常連のおじさんなら、一発でピンコ立ちだ。
しかし、これも不発。
シャイボーイは相変わらず無表情だし、シャイボーイのボーイはピクリともしない。
単なる◯◯じゃないの?
48の殺人技を次々にお見舞い(病院だけにね!)
とは言え、私も居酒屋では48の殺人技の使い手と呼ばれていた女だ。
プライドがある。
その他の殺人技も、次々に繰り出してみる。
宇宙旅行
風林火山
キン肉バスター
超人絞殺刑
合間にポスターも貼ってます
すると突然、あのシャイボーイが動き始めた。
しびんを両手に持ち、何かの体勢に入った。
これは、52のサブミッションの一つ、カメハメ仏壇落としの体勢!!
なんと、シャイボーイもカメハメ殺法100手の使い手だったのだ。
一体、この戦いはどうなってしまうのか。
次号へ続く。。。
コーヒブレイクの時間ですよ
ここでちょっとコーヒーブレイク。
やっぱり、ココアは森永だよね。
部活を忘れていた!
閑話休題。
この四文字熟語も好きなアレの一つだ。
あ、48の殺人四文字熟語の一つだ。
「そういえば、夜には部活に行かなくっちゃ!」
急に思い出した私は、手提げぶくろからバスケットボールを取り出し、点滴のパックを目掛けてシュート練習を始めた。
女子でワンハンドシュートを打てる人材は貴重なのだ。
また、院内でのバスケット練習は非常に健康にもよく、このとき私の全身に血液が循環して体がホカホカするのを感じた。
全身ポッカポカ!
皆様にもオススメですので、是非とも試してみてください。
もちろん、野球でも問題ありません。
バスケ練習でびっしょり汗をかいたら
汗を拭った私は、耳の後ろに長い毛が生えていることに気づいた。
おかしいなと思い、鏡を見てみると、それは毛ではなく白いヒモだった。
「なんかこんな話、どっかで見たな」
ある程度どうなるかは予測しつつも、そのヒモを思いっきり引っ張ってみた。
ほら、思った通り。
突然視界は真っ暗になり、私の短いナース人生が走馬灯のように蘇ってきた。
「我が看護師人生に一片の悔い無し!」
ふと目覚めると、そこは私の部屋のベッドの上だった。
あら、やっぱり。夢なのね。
♪やっぱり私は居酒屋店員さー
♪少し汚れた居酒屋店員さー
私は今日も居酒屋へ出勤する。
48の殺人技を引っさげて、オヤジたちを喜ばせるために。
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