介護職の強いストレスとの向き合い方。経験者が楽しく仕事する方法を解説
公開日:
介護の仕事
介護職はストレスが溜まりやすい仕事なんです
僕は毎日のように
「仕事に行きたくない」
と思っている時期がありました。
原因はいろいろありますが、一番はストレスが溜まっていたことです。
介護職は一人で行動することがほとんどなく、常にご利用者様と接し、仲間と情報交換を行っています。
仕事中に一息つける時間もほとんどありませんから、とにかくストレスが溜まりやすい仕事だと言えます。
僕は特にストレスが溜まりやすいと言われている、施設介護を8年間続けました。
・人間関係
・人手不足
・認知症対応
すべて経験してきています。
主任という立場も経験し、自分だけでなく職場のストレスがどうやったら軽減できるかにも向き合ってきました。
この記事を開いたあなたもストレスに悩んでいるのではないでしょうか。
簡単に解決できることではありませんが、僕の経験とストレス対策についてお話したいと思います。
スポンサーリンク
介護職のストレス原因は?こんな悩みありませんか?
僕の「施設介護8年」というのは3施設の合計です。
老人保健施設
↓
有料老人ホーム
↓
有料老人ホーム
という流れで転職を繰り返したのですが、3施設も渡り歩くとストレスがかかるさまざまな場面に遭遇しました。
介護職は常にコミュニケーションするような仕事ですから、苛立ちや疲れはどうしても態度や表情に出てしまいますよね?
つらそうな表情で仕事をしている同僚を何人も見てきました。
僕だってそうでした。
人間関係に疲れ、認知症対応に疲れ、そんなときは最終的に転職することで環境を変えストレスを減らしました。
同じ施設で8年働くなんてことはまず無理だったでしょう。
まずはじめに、僕が感じた仕事のストレスについてお話しします。
みなさんもこんな経験はありませんか?
【ケース1】職場の人間関係。悪口大会は聞いてるだけでストレス
※グラフは介護労働安定センター 平成28年度 介護労働実態調査結果を参考に作成
最近は男性スタッフも増えてきましたが、介護業界はこのようにまだまだ女性が中心です。
女性同士だとどうしても多くなるのが雑談、そして「悪口大会」です。
雑談ならスタッフ間のコミュニケーションということで、僕は主任時代もおおめに見ていました。
それを制限すると窮屈な職場になってしまいますし、スタッフ同士が雑談できるぐらい仲がよいのだとプラスに考えています。
でも、人の悪口は別です!
「◯◯さんがほんとに動かない。夜勤一緒になると最悪」
「◯◯さんが早番できないからシワ寄せがくる」
やめてくれ~~!
「そうですよね」とも「そんなことないですよ」とも言えないじゃないですか!
「まぁ◯◯さんもまだ慣れてないですからね」とか言ってお茶を濁して聞き流しましたが…。
聞かされる側はたまったもんじゃないですよね。
介護労働安定センターの調査によると、介護業界の退職理由は「職場の人間関係に問題があったため」が 23.9%で最多だそうです。
採用のハードルが低いぶん、単純に変な人が多いのも事実だと思います。
【ケース2】多忙な現場。人手不足による重労働がストレス
※グラフは介護労働安定センター 平成28年度 介護労働実態調査結果を参考に作成
「忙しい!」「人が足りない!」
僕の経験では、この言葉を聞かない施設はありませんでした。
上記の「介護スタッフの不満(複数回答可)」でも堂々の1位に輝いたのは「人手不足」です。
僕も「ワンオペ夜勤」を経験したことがあります。
60床ほどの施設で、夜勤は介護スタッフ2名のみ。
一人が休憩時間に入れば、複数のフロアを一人で駆け回る地獄の時間がやってきます。
日勤帯だってギリギリの人数で回しているのに、スタッフが病気になったらこれまた地獄。
食事、排泄、入浴などの「ルーチンワーク」さえスムーズに進まず、ご利用者様と楽しく会話している余裕などありませんよね。
介護業界はギリギリのシフトで動いていて、誰かが休んだときにカバーできるのが残った人たちだけなのは大きな問題です。
「有給が取れない」という不満が第3位にきてしまうぐらいですから。
【ケース3】土日祝、年末年始関係なしの過酷なシフト勤務
介護業界で働く人にとっては当たり前かもしれませんが、特に施設勤務だと土日も祝日も年末年始だって関係ありません。
それに加えて早番、遅番、夜勤という交替勤務があります。
シフト勤務による疲労、自分のタイミングで休みを取得できないストレスは積み重なっているはずです。
僕は在宅を支援するケアマネジャーになったことで土日休み、夜勤なしという環境にシフトできましたが、定年までこの勤務が続くと考えると恐ろしいです。
もちろん平日休みというのは、それはそれで魅力だったりします。
でも、どうしてもシフト勤務や夜勤がつらい方はデイサービスやケアマネジャーへの転職を考えても良いと思います。
「認知症対応」によるストレスは避けようがないもの
介護現場でのストレスと言えば認知症対応です。
認知症というのは病気であり、介護業界で働くプロである僕たちにとっては「理解していなければいけないもの」です。
とはいえキツい言葉を投げかけられたり、絶対に必要なことを拒否されたりします。
認知症だと分かっていても、めちゃくちゃストレスですよね!!
このストレスを軽減するために、認知症について深く学ぶことは一つの選択肢だと思います。
僕は「認知症ケア専門士」という資格を取得して、認知症対応によるイライラを軽減させることに成功しました。
認知症利用者の暴力、セクハラ…どうにかならないの?
認知症対応で苦労するのは「暴力」「セクハラ」です。
介護士は生傷が絶えませんよね。本気で引っ掻いたり、噛んだりしてきますもんね…。
「生傷」だとか「おさわり」ぐらいだと施設側は利用者の退去検討すらしません。
「警察沙汰」ぐらいの事件が起きない限り、僕たちスタッフは我慢するばかりです。
ちなみに、男性スタッフも超セクハラされます。
他の人に相談もしづらいし、内心最悪な気持ちです。
認知症ケア専門士の僕としてはスタッフの力で解決したいところなんですが、「暴力」「セクハラ」に関しては介護力だけで解決するのがとても難しい。
精神薬の増量とか、薬で解決することも多かったです。
介護職でも認知症対応に悩まない職種もある
認知症対応が原因でストレスを溜め込むぐらいなら、逃げましょう。
たとえば「機能訓練型デイサービス」なんかは介護度の低い人が中心ですし、認知症対応は最小限で済みます。
「訪問入浴」は一回の関わりが45分程度ですし、必ず複数人で対応するので精神的にとても楽です。
このように、同じ介護業界でも認知症対応に苦しむことが少ない職種もあります。
多くの「認知症対応がつらい。辞めたい」と考えている人を見てきました。
一つ言えるのは、無理して頑張りすぎないほうがいいということです。
介護職を続けるには必須のスキル「アンガーマネジメント」
「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことはありますか?
簡単に言えば「怒りの感情をコントロールすること」です。
介護現場でスタッフの怒鳴り声が聞こえるというのは、普通じゃありません。
でも、僕が経験した3施設のうち2施設では日常的に聞こえてきました。
僕は怒鳴るまでいかないものの、イライラが溜まってご利用者様に対して雑な対応をしてしまうことがありました。
こうなると訪れるのが後悔です。
「またやってしまった…」という負の感情で、どんどん自分が嫌いになってしまいます。
僕が施設介護をしていて一番つらかったのがこの「自分を嫌いになっていくこと」でした。
もし怒りの感情をコントロールすることができれば、そんな気持ちにならずに済みます。
僕が悩んでいた当時は「アンガーマネジメント」という言葉は有名ではありませんでしたが、尊敬する先輩から
「優しい人が怒ってしまうと後悔するのは当然。
だからこそイライラしないような考え方に変えていこう」
とアドバイスしてもらいました。
今はこのように、介護職のアンガーマネジメントに関する本も出ています。
僕と同じような悩みを持つ方には、解決の糸口になるかもしれません。
介護職のストレスは給料も大きな原因?
先ほども登場した「介護スタッフの不満トップ3」ですが、2位は「給料が低い」ことです。
介護業界はどんなに仕事が忙しくても給料は変わりません。
国から支給される「介護報酬」が僕たちの給料のベースですから、いつまで経っても大きく跳ね上がることがありません。
僕も年収250万だったときは「こんなに大変な仕事なのに…」と、すごく悩みました。
環境としては良い施設だったのですが、自分がよりよい生活を送るために転職して年収アップすることを選びました。
もしストレスの大きな原因が収入であるなら、僕の転職体験談が参考になるかもしれません。
まとめ ストレスを溜め込んだら、逃げ出すことも大事
ここまで僕の体験談を中心にお話してきましたが、皆さんも同じような悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
僕が介護業界で10年以上働いて感じたのは、ストレスと真っ向勝負してはいけないということです。
・人間関係
・認知症対応
・給料、休日などの待遇
こういった悩みは転職で解決するという方法があります。
介護業界内で数年置きに転職している僕は、環境を変えることでリフレッシュしていました。
もちろん環境が変わること自体大きなストレスに感じる人は居ると思います。
でも、今つらい思いをしている人は同じ場所で頑張っても苦しくなるばかりだと思います。
まずは施設内でのフロア異動などを訴えみても良いかもしれません。
それがダメなら、転職を検討してみてください。
初めての転職で不安な人は介護エージェントを利用するのもオススメです。
特に地方在住の方、同じ場所でずっと働いている方。
転職や引っ越しは不安も大きいのですが、それ以上に環境を変えてプラスになることはとても多いです。
施設だけでも老健、特養、有料、グループホーム…在宅では訪問介護、訪問入浴など介護職は様々な形態があります。
自分のスキルアップに繋がるのは間違いありませんし、職場の人間関係をリセットすることで悩みも減るかもしれません。
はじめての転職で履歴書や職務経歴書などに不安がある方には、介護専門の転職エージェントがオススメです。
介護専門の転職エージェントなら、専任の担当者が転職をしっかりサポートしてくれるので安心ですよ!
僕が知ってる中で一番オススメなのはスマイルSUPPORT介護です。
もちろん相談は無料なので、転職しようか悩んでいるならとりあえず相談に行ってみればいいと思います。
スポンサーリンク
ad
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入っていただけたらシェアしてくれると嬉しいです。
関連記事
-
ケアマネージャーの給料事例。僕の年収アップ事例を洗いざらい書きます
普通に過ごしていると、なかなか給与が上がらない介護の世界 介護のお仕事を頑張っている皆さん、昇
-
介護転職の面接対策。必ず実行すべき3つの必勝法と、もっと大切なこと
介護転職の面接事情について。経験者が詳しく解説します 転職者にとって、もっともハードルが高いの
-
介護職の人間関係で辞めたい。経験者が解決方法を全部書く
介護職の人間関係で悩んでいる人は多いんです 介護現場の人間関係は僕たち介護士の中でもダントツに
-
介護転職サイト・転職エージェント12サイトを実際に利用した僕が紹介します
介護転職サイト・転職エージェントを実際に使ってみた評判とおすすめサイト 転職を検討している介護
-
底辺介護士が年収を220万→600万へと激増させた転職・副業法を大公開
介護士の年収の限界はいくらなんでしょうか? 介護の現場はめちゃくちゃ大変です。 肉体的にも精
-
特養、老健、有料老人ホームの給与や転職について比較してみよう
介護職はどこが給料が高いの? うちは共働きなんですが、嫁さんは特別養護老人ホーム、いわゆる特養
-
シナプソロジーの効果!インストラクター資格を取得した僕が実態を解説
シナプソロジーにはどんな効果があるのか シナプソロジーとは、”脳を活性化させるトレーニング"で
-
認知症ケア専門士の資格を持っている僕が、試験内容や給料事例を紹介
認知症への理解や対応って大変ですよね 「◯◯さん!立っちゃダメ!」 「もう夜中ですよ。早く寝
-
介護士のボーナス平均は年間55万円?調査結果と僕のリアルな支給額
介護士の平均ボーナス支給額っていくらだと思いますか? 厚生労働省が2017年に調査した結果