シナプソロジーの効果!インストラクター資格を取得した僕が実態を解説
公開日:
介護の仕事
シナプソロジーにはどんな効果があるのか
シナプソロジーとは、”脳を活性化させるトレーニング”です。
具体的には「2つのことを同時に行う」「左右で違う動きをする」といった動作をするのですが、これをインストラクターの指示で行います。
分かりやすい動作例だとこのようなものがあります。
●インストラクターが「マル」と言ったら△のポーズをする。
「バツ」と言ったら◯のポーズをする
●インストラクターとじゃんけん勝負!
ただし「負けてください」と言われたら負けなければいけない
●右手でスカーフを回しながら左手でお手玉する
ほんの一例ですが、なんとなくシナプソロジープログラムの想像がつきましたか?
元々フィットネスクラブで有名なルネッサンスが始めたプログラムなんですが、今では介護・スポーツ・ビジネス・キッズなど様々な現場で活用されているそうです。
私は以前所属していた企業が介護事業への導入を決定して、介護職員代表としてインストラクター資格を取得致しました。
この記事では実際に介護施設でシナプソロジーを行ってみた感想や、シナプソロジーの具体的な動き方・資格取得について書いていきたいと思います。
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シナプソロジーの特徴、内容
※「シナプソロジー普及会」より引用
シナプソロジーは脳のトレーニングですが、必ず動作が伴います。
思考+動作がシナプソロジーの基本だと言えます。
この思考+動作の基本がとても分かりやすいのが「相違じゃんけん」というプログラムです。
僕がインストラクターとなった際に渡されたマニュアルにも一番最初に出てきていたと思います。
●インストラクターは「じゃんけん、ポン」と言ってグー・チョキ・パーのいずれかを出す
●参加者は「後出しで勝つ」「手を出すと同時に”ポン”と言う」などの思考が必要な動作をする
といったプログラムなのですが、シナプソロジーは文章だと伝えるのが難しいですね…。
シナプロジーの公式サイトである「シナプソロジー普及会」はYoutubeにいくつか動画をアップロードしています。
「相違じゃんけん」のプログラムもありますので、気になる方はぜひご覧ください。
シナプソロジーの導入実績
シナプソロジー普及会の活用事例によると、主な対象は以下の4つに分かれます。
●アスリート向け(スポーツ)
●介護施設向け(ケア)
●社内研修向け(セミナー)
●児童教育向け(キッズ)
僕は介護施設で実施したのですが、もともとフィットネスクラブから始まっただけあって多種多様な場所で活用されています。
会社からインストラクター資格を取るようにと話を聞いたときは「高齢者向けのもの」なのかと思いましたが、実際の活用事例には様々なものがありました。
●スポーツチームのウォーミングアップ
●社内研修などの交流や眠気覚まし
●児童教育のプログラム
シナプソロジーには多数のプログラムがあり、プログラム別ではなくプログラム中に難易度を上げていくシステムがあります。
先ほどの「相違じゃんけん」で言えば最初は「後出しで勝つ」ですが次第に「後出しで負ける」「後出しで左手は勝ち、右手は負ける」というように難易度を変えることができます。
参加者のレベルに合わせてインストラクターが難易度の調整を行うのですが、この多様性もシナプソロジーが様々な場所で活用される要因なのかもしれません。
シナプソロジーの効果
※「シナプソロジー普及会」より引用
普及会の発表によると、シナプソロジーを実施することで期待できる効果として、
●注意機能の向上
●判断力の向上
●認知機能の向上
●抑うつ感、倦怠感の低下
などを挙げています。
ただ身体を動かすだけでなく、思考が必要とされるので実際に何度も実施した僕は「効果がある」と感じることができました。
ただ、これらの公表されているデータはあくまでシナプソロジー普及会が検証したものです。
学術的・世界的にその効果が認められているわけではないので注意が必要です。
シナプソロジーのほとんどは「身体を動かす」「声を出す」ことが必要なプログラムなので、単純に運動効果も現れているのだと思います。
認知症への効果は?
僕は介護士施設で働く普通の介護士なんですが、会社から「シナプソロジーインストラクターになって施設でシナプソロジーを実施する」という命を受け、同時に「認知症に効果があるか検証する」という無茶振りをされました。
認知症ケア専門士という資格を持っていますが、当然僕は医師じゃありませんし、今思い出しても相当な無茶振りです!
やらないわけにもいかないので施設の利用者Aさんに協力していただいて、認知症検査で有名な「長谷川式認知症スケール」を用いて一ヶ月テストしてみましたが、結果は点数変わらず。
既に中等度の認知症であったAさんはシナプソロジープログラムを理解して実施することが難しく、なかなか難易度を上げることができませんでした。
難しければ良いというわけではありませんが、認知症予防効果の発表はあっても認知症患者に対する効果検証はされていないようなので、既に認知症になっている方への効果はなんとも言えませんね…。
ただ、シナプソロジー普及会が高齢者を対象とした検証では下記のような効果が認められたということです。
「短期記憶の向上」
「長期記憶の向上」
「注意・実行機能の向上」
「言語流暢性の向上」
※「シナプソロジー普及会」より引用
身体と脳を動かすシナプロソロジーは認知症予防に最適なのかもしれませんね。
高齢者施設のレクリエーションとして使えるか
シナプソロジーを高齢者施設でのレクリエーションとして活用しようと考えている方は多いと思います。
僕は有料老人ホームでレクリエーションとして実施してみましたが、結論から言えばそこそこ元気な人は楽しくできます!
比較的、介護度の低いデイサービスや機能訓練特化型デイサービスならとても盛り上がると思います。
入居型施設では認知症の方、片麻痺など身体が動きづらい方もいらっしゃると思います。
そういった方々と元気な人が一緒にやるレクリエーションとしては正直、難しいです。
職員がつきっきりで一人をサポートするなど、協力が必要になります。
認知症、片麻痺の方でも実施できるプログラムはあるのですが、元気な人には物足りない。
ただ、レベルを上げてしまうとついてこれない人がいる…。
20人程度規模のレクリエーションとしてシナプソロジーを行いましたが、楽しめている人とそうでない人の差はとても大きいと感じました。
●比較的元気な方々へ向けたレクリエーション
●少人数(4人程度)を集めて行うレクリエーション
などでしたら、シナプソロジーは自信を持ってオススメできます。
内容を理解してシナプソロジーを実施できる人にとっては、普段のレクリエーションよりも食いついてくれること間違いなしです!
短い時間で出来る、人数や難易度別に多様なプログラムがあるなどシナプソロジーならではのメリットも満載です。
シナプソロジーインストラクターになるには
シナプソロジーを実施するために資格は必要ありません。
ただ複雑なプログラムなので、実施する側の人間は内容や声掛け方法を理解していなければスムーズにシナプソロジーを行うことはできません。
そのため、シナプソロジー普及会では「普及員」「インストラクター」「アドバンスインストラクター」など、複数の養成講座を開いています。
僕は「インストラクター」の講座を受けました。
いくつか講座がありますが、インストラクター資格を持たない人が受けられるのは「普及員」「インストラクター」の2講座となります。
インストラクター資格は個人で取得するにはちょっとお高めですね…。
職場や友人などとシナプソロジーを行う程度であれば「普及員」の講座で十分だと思います。
職場に持ち帰ってフィードバックをしたり、他者への指導を行えるレベルになりたいなら「インストラクター」の講座を受けましょう。
シナプソロジーの講座はケア資格ナビで資料請求(無料)ができますので、気になる方は一度目を通してみてはいかがでしょうか?
介護士の僕がインストラクター研修を受けた感想
さて、僕は実際にインストラクター養成講座を受けました。
その時のことを少しお話したいと思います。
期間は2日間で、共に丸一日(8時間)の講座でした。
シナプソロジーの基礎、考え方などの座学もあるんですが、基本的にはシナプソロジーの実施がメインです。
全然眠くなれない講座なので、あっという間に終わりますよ(笑)
一緒に講座を受けた人たちとプログラムを実施するので、とても仲良くなれました。
そう考えると会社の研修などでシナプソロジーを利用するのは効果的なのかもしれませんね。
インストラクター研修で気になるのは「認定試験」ですよね。
筆記によるテストではなく、「シナプソロジーを問題なく実施できるか」というテストです。
講師の方は、あまりにもヒドい場合以外は何回もやり直しするので、落ちる人はほぼ居ないと仰られておりました。
「実施テストが終わらないと帰れませんよ~」と言っていたので、合格するまでやるような印象です。
インストラクター講座を修了すると各プログラムのマニュアルが貰えますので、実施時に丸暗記しておく必要もありません。
※上記感想は僕が講座を受講した年度の物です。
現在では内容が変わっている可能性もありますのでケア資格ナビの資料請求などで確認してくださいね。
まとめ シナプソロジーは万能な脳トレ
シナプソロジーは脳を刺激するありそうでなかったプログラムです。
実施ができるようになれば、職場や友人など様々な場所で活用できます。
<僕がオススメするシナプソロジーの活用方法>
●ネタ切れしがちなデイサービスのレクリエーションに
●交流の場で、緊張をほぐすために
●自分の物忘れ予防に
インストラクター講座を受けるまでにはいかないけれど、シナプソロジーを知りたいという方はシナプソロジーの本やシナプソロジー普及会のYoutubeチャンネルを参考にしてみてくださいね。
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